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子猫がなりやすい病気|感染症

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子猫がなりやすい病気|感染症

子猫がなりやすい病気|感染症

2021/10/06

(猫との暮らし大百科さんからお借りしました)

 

子猫の時期は、免疫状態が不安定で、細菌やウイルス等の病原体の侵入を防ぐ力が弱いため、容易に感染してしまうだけでなく、重症化してしまうことも多くあります。特に、地域猫(のら猫)出身の場合は、寄生虫やウイルスに感染している場合がほとんどです。
子猫の健康はもちろん、既に猫を飼っている場合は、子猫によって家の中でも感染が広がりますので、必ず動物病院で健康診断を受けてから飼うようにしましょう。

<子猫で注意したい感染症>
①外部寄生虫:ノミ、疥癬(カイセン)、耳ダニなど
②内部寄生虫:条虫、回虫、原虫(コクシジウム)など
③ウイルス:猫カゼウイルス、猫エイズウイルス、猫白血病ウイルスなど
④真菌(カビ):皮膚真菌症

「子猫に寄生虫がいる」

猫に感染する主な寄生虫は、ノミやマダニなど体表面に寄生する外部寄生虫と、回虫や条虫など消化管内に寄生する内部寄生虫に分けられます。子猫は、こういった寄生虫に感染しやすいだけでなく、成猫であれば特に病的な症状を起こすことがないようなケースでも、ノミの大量寄生により貧血を起こしてしまったり、猫回虫の寄生で下痢や血便を起こすなど重篤な症状がみられることもあります。(下痢だけでも脱水症状を起こしてしまう)

とくに、地域猫(のら猫)の場合は、すでにこうした寄生虫に感染していることが多いです。ほとんど何かしらの感染をしているといっても過言ではありません。猫を迎え入れる際には、最初に動物病院で健康診断と合わせて駆虫等の相談をするようにしましょう。もちろん、既に飼育している猫たちに感染を広げない、という意味でもとても重要です。

また、下痢や嘔吐を起こすことが多い消化管内寄生虫には回虫、鉤虫、条虫、トリコモナス、ジアルジア、コクシジウム、クリプトスポリジウム等たくさんの種類があります。糞便検査で顕微鏡を使って検査することがほとんどですが、1回の検査で大丈夫だったからといって、確実とは言えません。感染が見つからなかった場合でも駆虫薬を飲ませたり、症状を繰り返す場合には改めて検査や治療を行うようにしましょう。

「子猫は回虫症になりやすい?」

回虫症は、猫回虫という寄生虫が主に猫の小腸に寄生することで起こります。

成猫の場合は、感染しても回虫が幼虫のまま全身のさまざまな臓器で発育せず休眠状態になっていたり、無症状なことが多いのですが、子猫では、嘔吐や下痢等の消化器症状、太鼓腹、脱水、被毛不良、栄養失調、体重低下等の症状を引き起こすことがあります。稀に、吐いたものの中に5から10センチほどの白いそうめんのような形状の虫が出てくることもあります。

通常、回虫は猫から猫へ直接感染するのではなく、感染した猫の便とともに排出された卵(虫卵)が土の中などでかえって、その幼虫が猫の口から入ることで感染します。また、猫回虫卵を口にしたネズミや鳥、ミミズ等を猫が口にすることで感染することもあります。子猫の場合は、感染した母猫の体内にいた回虫がミルクのなかに混ざって出てくることで感染することがあります(乳汁感染)。

回虫の感染は、ほとんどの場合、糞便検査で診断できます。治療は、駆虫薬の投与です。駆虫薬は腸管内にいる虫には効果がありますが、幼虫や虫卵には効果がないことがあります。そのため、一般的には2週間以上の間隔をあけて、複数回の投薬を行う場合が多いです。

「子猫が条虫症になったら?」

条虫症は、条虫が猫の小腸に寄生することで下痢や嘔吐等の症状を起こす病気です。 日本では、猫に寄生する条虫が10種類以上もいるとされています。この中でもよく見られるのは、瓜実条虫(ウリザネジョウチュウ)、猫条虫、マンソン裂頭条虫(マンソンレットウジョウチュウ)です。症状が現れないことも多いですが、多数寄生すると嘔吐や下痢、食欲不振等が見られます。
条虫は、いわゆる「サナダムシ」で、その体はたくさんの体節(片節)からなっています。稀に、平べったい種のような形をした片節が便に混ざっていたり、肛門から這い出した片節が動くことで、猫がかゆがって地面にお尻をこすりつけることがあります。

瓜実条虫は、感染した猫から外に出た片節が周囲に卵を散らし、それを摂取したノミを、猫がグルーミングする際に口にすることで感染します。なお、猫条虫ではネズミ等の小動物、マンソン裂頭条虫ではヘビやカエル等が、猫に感染する前の中間宿主となります。

条虫駆虫薬を投与し、治療を行います。瓜実条虫症の場合には、条虫感染の原因となるノミの駆虫を同時に行うことも重要です。

「子猫がコクシジウム症になったら?」

コクシジウム症は、コクシジウムという顕微鏡でないと見えない小さな寄生虫(原虫)が小腸の細胞に寄生し、増殖することによって起こる病気です。健康な成猫では感染しても発症しませんが、子猫や免疫力が低下している猫では、水様性の下痢や血便、脱水、貧血、栄養失調、体重低下等の症状を起こすことがあります。

感染した猫の便とともに排出されたオーシストという卵のようなものが、猫の口から入ることで感染します。感染猫便中に排出されたオーシストは、時間が経つと感染力が備わるため、便はすみやかに処理することが重要です。

糞便検査でオーシストを検出することで診断されますが、感染していても検出されないこともあります。治療は、サルファ剤という薬を投与し、コクシジウムの駆虫を行います。コクシジウムが多数寄生している場合や子猫の免疫力の状態によっては、2〜3週間にわたって投与することもあります。また、症状によって下痢止めや吐き気止め、整腸剤等を併用します。

「ウイルスによる感染症」

子猫は免疫機能がまだ十分に備わっていないことから、ウイルスにも感染しやすくなります。とくに、母猫からもらった免疫の移行抗体がなくなってしまう2ヶ月齢頃からは注意が必要です。ワクチンで予防できる感染症もありますので、子猫を迎えたら、すぐにお迎え元や動物病院とワクチンスケジュールの相談をするようにしましょう。

子猫で多く見られるウイルス感染症は、咳や鼻水といった症状をもたらす上部呼吸器感染症 (いわゆる風邪)で、猫風邪(猫カゼ)とも呼ばれます。代表的なウイルス性呼吸器感染症として猫ヘルペスウイルスによる「猫伝染性鼻気管炎(FVR)」と猫カリシウイルスによる「ネコカリシウイルス感染症(FCR)」が挙げられます。また、同時にクラミジア等の細菌感染を起こしていることも多くあります。
感染猫との接触や空気感染によって感染し、とても感染力の強いウイルスです。鼻水やくしゃみ、鼻づまり等の鼻炎症状が見られる他、発熱や食欲不振、結膜炎や角膜炎、口内炎等がみられることもあり、病状が悪化すると肺炎にまで波及します。たかが口内炎、とはいえ、ひどくなると食事もとれないほど痛みが起きることも。

ウイルスを直接排除する治療はないため、症状に応じて抗生物質やインターフェロンの投与などの対症療法をします。一度感染してしまうと、回復後もウイルスが神経細胞等に潜んでいるため、その猫はキャリアとなり、ストレスがかかったり免疫力が低下した時に再発することがあります。
予防としては、ワクチン接種と、感染猫との接触を避けることが重要です。

その他、気をつけたいウイルス感染症として、パルボウイルスによるネコ汎白血球減少症があります。症状としては白血球の減少、食欲不振、発熱、激しい嘔吐、下痢等が見られます。感染力が強く、子猫が感染し発症した場合には症状が重篤となる場合が多く、死に至ることも珍しくありません。ワクチンで予防できる感染症ですので、適切な時期にワクチン接種を行うようにしましょう。

また、感染初期には重篤な症状を引き起こすことは少ないものの、生涯ウイルスを保有し発症するリスクのある感染症として、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)が挙げられます。どちらも、治療ができる病気ではなく、致死的な感染症です。

「皮膚真菌症(皮膚糸状菌症)」

皮膚に真菌(カビ)が感染し、皮膚炎を起こす病気です。とくに子猫や免疫力が低い状態の猫に感染し発症しやすい傾向があります。主な症状は脱毛で、脱毛部周辺にかさぶたやフケがみられ、痒みが出ることもあります。脱毛の様子が円形に拡がっていくことから、「リングワーム」とも呼ばれます。
人畜共通感染症(ズーノーシス)で、感染したどうぶつと接触することで人にも感染して脱毛や皮膚炎を起こすことがあるので注意が必要です。

感染猫との接触で感染することが多いですが、タオル等の物を共有することで感染することもあります。感染が判明した場合は、猫が複数頭いる場合は隔離し、人も過度の接触を避けて触った後はすぐに手を洗うようにしましょう。感染したどうぶつの抜け毛やフケからも感染することがありますので、衛生的な環境を保つよう心がけましょう。

治療は、抗真菌薬(外用薬・内用薬)の投与を行います。状態によって、患部の毛刈りや抗真菌薬のシャンプーによる薬浴治療をする場合もあります。症状が改善するまで 1ヶ月以上かかることが多いようです。

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